真空管聴き比べセミナー参加者から届いた、私が感動したお手紙をご紹介
真空管聴き比べセミナー参加者から届いた、私が感動したお手紙をご紹介
こんにちは、真空管専門店 ヴィンテージサウンド 代表の佐々木です。
9月23日に開催した同セミナーで、第一部の四番目にギター試奏をしていただいた、MINAGAWAさん(以下画像)より、セミナー後、改めて、長文のお手紙をメールでいただきました。
早速、拝読させていただき、「セミナーを開催して本当に良かった」、「いままで真空管に携わってきた方向性は間違っていなかった」と、真空管屋冥利につきる内容に感動しました。
是非、皆様にもその内容をお伝えしたく、MINAGAWAさんのご了解を得て、原文を公開させていただきます。
【パターン4】KT88 GOLD LION & 12AX7 Mullard
試奏中のMINAGAWA氏
----------------------------MINAGAWAさんからのお手紙 はじめ-----------------------------------------------
こんにちは。
先日の真空管セミナー、第一部に参加させて頂いたMINAGAWA、というものです。
大変感動したので、少し長文ではありますが感想、というか身の上話も含め送らせて頂きます。
自分は、都内、目白のギター製作の専門学校に通っています。
専門学校、というかこの方向に進もうと思ったきっかけが「良いギター、良い音とはなんだろう」という事への興味であり、通いはじめ一年半ほど経った今、ギターの構造の違いから来る音の違いを制作の中から体感出来たり、大変有意義に学校生活を送れています。
その中で、5月にfender champ(6V6×1 12AX7×1)のヘッドアンプを授業の一環で自作し、アンプにももっと理解を深めたい、と思っていました。
そんな折に、ヴィンテージサウンドさん主催のセミナーを知り、すぐに応募させて頂きました。
また、先日ちょうどビンテージRCAの12AX7を一つ譲っていただける機会があり、自作チューブアンプ(元々の真空管はelectro-harmonix)で弾き比べてすぐのセミナー参加でした。
チューブが変われば音が変わる、という事はわかってはいたのですが、 何種類もの真空管を、ああいった形で聞き比べる事ができ、さらに色々な話が聞けて、(特にスタンバイスイッチの話は驚きましたし、その話をした周りのギタリストの反応も同様でした)とても感動しました。
また、mullardのプリ菅を頂き、本当にありがとうございます。
会場でうまく感想を言葉にできなかったのですが、間違いなくあの日の音の中で一番好きな音でした。
そして今しがた普段使っている、
自作のストラトキャスター(メイプルワンピースネック&アッシュボディ)→自作champ→Fender super champXDのスピーカー(10インチ一発)
という構成で、ElectroHarmonix→mullard→RCAという順に弾き比べてみました。
弾いてすぐの今の印象としては、mullardがとても良かったです。
まずもともとのelectro harmonixは、RCAと二つで弾き比べた時から感じたのですが、特に高域において音作りの幅を狭くかんじました。
全体的に明るい音質で、トレブルを上げて行くとキンキンとして、バックがクローズドなキャビネットによってはそれもまた良かった場合があったのですが、fender系のバックが開放のキャビではピーキーで使いづらい音でした。
次に、mullardはパワフルでバランスが良く、音圧は一番あり、まさにモダン、といった印象です。
高域においても力強く、トレブル10にしてリアでコードを弾いてもキンキンしなく、 粒が大きな、弾いていて気持ちよさがありました。
次にRCAは繊細で、高域が素晴らしかったです。
キャラクターもずいぶん違ったのですが、一番の違いはニュアンスの出方でした。
mullardはパワフルで常に良い、という印象なのですが、
RCAは気をつけて弾いた時にとても良い音が出せるけど、気を抜けばすぐにそれがわかってしまう、といった印象です。
クリーンだけでの弾き比べではありますが、会場とはまた違った視点でmullardの良さ、またもともと持っていたRCAの可能性を知る事が出来ました。
今後、またセミナーに参加したい!と同時にもっと色々な種類に変えて理解を深めたい、と思いましたので、その時は相談に乗っていただけると大変嬉しいです。
それでは失礼します。
----------------------------MINAGAWAさんからのお手紙 おわり-----------------------------------------------
このお手紙に関連して、私は、つぎの2点を、若いギタリストの皆様にお伝えしたいと思います。
モスキート音が聞こえる耳がまだ若いうちに多くの真空管を体験されることにより、ギターサウンドの良い、悪いの絶対的な基準ができあがりますので、これからもどんどん様々なご経験をされると良いと思います。
ちなみに、ゲスト講師のDr.Subsonic氏は、弊社と共同で3年間の期間をかけて 6L6,KT88,EL34,EL84,6V6,7025とプリ管の組み合わせ2000種類以上を聴き比べた経験があり、それが、レコーディング分野での財産になっていると言っておられました。つまり、耳を肥やすということが、将来の仕事への投資になるのだと思います。
もしも、これをご覧いただいている音楽の学校関係者の方がいらっしゃいましたら、若い学生向けに真空管聴き比べセミナーも開催できますので、ご一報くだされば幸いです。
この場をかりて、MINAGAWAさん、ありがとうございました。
つぎは、10月23日(日)東京 スタジオノア 中野 野方店で開催します。
次回は、同じアンプで6L6系(6L6,5881,KT66)をやります。
次回の感動の真空管聴き比べセミナーに参加される方、こちらをクリック。
2011.9.26
Good music !
(c) 2011 VINTAGE SOUND